巨大乳房症のつらい症状

「巨大乳房症」とは、乳腺が極端に成長して、さまざまな症状を起こす状態です。
乳腺の、女性ホルモンに対する過敏性が高いことが原因のひとつと推測され、思春期乳腺肥大症とも呼ばれます。
巨大乳房症は、さまざまなつらい症状を起こし、悩みの種となります。

巨大乳房症による主な症状:

·       頭痛、頸部痛、背部痛、腰痛などの痛み

·       指の痺れや麻痺症状

·       下着の圧迫や摩擦による皮膚炎や潰瘍

·       乳房の下の慢性的なムレによる発疹や皮膚白癬

また、社会的にも奇異の目で見られたり、着られる服が限られておしゃれが楽しめなかったりするのも、ストレスとなります。
重度の巨大乳房症では、スポーツをする際に支障が出たり、友人との交流や旅行などのアクティビティーにも活発になれないなどの日常生活への支障が出たりもします。

 

乳房縮小術とは

乳房のサイズを小さくして、体格とのバランスの取れた胸にする治療法が、乳房縮小術です。
ただ胸を小さくするだけでなく、下垂した胸を挙上してピンと張った胸にし、乳頭乳輪の位置も、乳房のトップにくるように修正します。

 

 

 

 

乳房縮小術のポイント

乳房をただ小さくするだけでなく、バランスの取れた美しい乳房にするには、乳房の形態解剖に関する深い知識と、豊かな治療経験が要求されます。

この手術のポイントは次の通りです:

·       乳房サイズを縮小すると同時に、挙上して張りのある形にする

·       乳頭乳輪が乳房トップにあるように位置修正をする

·       乳頭乳輪への血流、神経、乳管のつながりを残す

·       乳房の左右差を揃える

·       乳房サイズを本人の理想に合わせる

 

 

経乳輪法(比較的縮小量が少ない場合)

経乳輪法は、比較的軽度の巨大乳房症に対しておこなわれる手術法です。

乳輪周囲の皮膚切開から、乳腺組織を切除して、乳房のサイズを縮小します。また、乳輪の大きさも小さくすることが可能です。

下垂した乳房を挙上するために、乳腺組織の固定や、吸収性素材の医療用メッシュを用いての固定をおこないます。

この方法では皮膚の縫合線を乳輪に合わせることができるため、きずあとが少なく目立ちにくいことが利点です。しかし、切除できる乳腺組織に限界があるため、Hall Findlay法に比べると縮小効果が弱く、非常に大きな巨大乳房症には適していません。

 

 

HALL FINDLAY法(縮小量が多い場合)

重度の巨大乳房症に対しておこなわれる手術法です。

乳輪周囲と、乳輪から下向きに垂直方向の皮膚切開から、乳腺組織と余剰な皮膚を切除します。乳頭・乳輪は内側やや上方から伸びる乳腺組織を通じて血流のある状態で、乳房のトップにくるように位置を動かします。

カナダのHall Findlay医師が開発した手術法であり、最終的な縫合線が乳輪周囲とその下側にくるため、その形を例えて、別名Key hole method(鍵穴)や、lollipop method(ペロペロキャンディー)とも呼ばれます。

乳輪の下側にのびる瘢痕は、からだの他の部位と比べるとかなりキレイになる部位であり、数ヶ月でだんだんに目立ちにくくなっていきます。

乳頭・乳輪の感覚は手術後低下しますが、半年から2年ほどの経過で、ゆっくりと回復していきます。

 

 

治療にともなうリスクとベネフィット

乳房縮小術にともなって起こりうるリスクとしては、次のような合併症が考えられます。

  • 出血、血腫
  • 漿液腫
  • 感染
  • 創部の治癒遅延や治癒障害
  • 乳頭乳輪の壊死
  • 乳頭乳輪の知覚異常や知覚回復遅延
  • 左右の乳房のかたち、大きさの違い

これらのリスクを下げるために、医師の指示に従い、適切な治療を受けることが重要です。

 

また、この治療を受けることにより得られるベネフィットは、巨大乳房症による症状の改善と、日常生活におけるQOLの向上が挙げられます。